平尾千恵子(東京大学医学部附属病院看護部)
経口抗がん剤( 殺細胞性抗がん剤や分子標的薬)による治療は,慢性骨髄性白血病に対しての標準治療として行われていますが,再発や手術不能な固形がんに対しても生存期間の延長などの効果が示されており,第1選択薬として用いられます。外来化学療法加算制度の導入により化学療法を行う場所は入院から外来へ移行し,仕事と治療の両立が可能となりましたが,その一方で患者自身が服薬や症状の管理などを日常的に行う必要があります。経口抗がん剤の治療効果を高めるには,服薬アドヒアランスの維持・向上が不可欠といわれています。