発達障害という視点を緩和ケアに活かす(3)
「死ぬかもしれないと認識していない患者」にどのように対応するか?

2018.09.15

齋藤 円
市立ひらかた病院


50歳代男性。直腸がん再発,多発肺転移に対して,腫瘍内科で外来化学療法を受けていた。抗がん剤の効果が見込めなくなっていること,腎機能が悪化していることから,主治医から治療中止の説明を受けた。
その後,外来を受診した際に,何度も説明をしても,「抗がん剤をいつ再開できますか?」「いつになったらまた治療できますか?」などの質問を繰り返し,1年以上先の仕事の予定について話すことが続いた。
仕事について尋ねると,「治療が再開できたら,このプロジェクトに取り組みたい」と答え,「死ぬかもしれない」とは認識していないようであった。

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