小川朝生
(国立がん研究センター先端医療開発センター精神腫瘍学開発分野)
非けいれん性てんかん重積状態(non-convulsivestatus epilepticus:NCSE)は,脳波上は電気的な発作活動が持続しているにもかかわらず,けいれんなどの運動症状が目立たず,意識障害を前景に示す状態を指す。
NCSEが臨床で注目されるようになった理由は,(低活動性せん妄などの)意識障害と思われている症例のなかに治療可能な病態が混じっていること,医療者が十分に認識していないために未治療で見逃されていること,突然死につながる危険性があること,である