熊谷靖代(野村訪問看護ステーション)
便秘に関する定義はいくつかあり,日本緩和医療学会では「腸管内容物の通過が遅延・停滞し,排便に困難を伴う状態」と定義されています。
排便が滞ることで腹痛や肛門部痛,腹満感,食欲低下,悪心などの苦痛や日常生活での支障が生じます。特に緩和ケアを受けているがん患者における便秘は32~87%の頻度であるといわれ,原因としては食習慣や生活習慣に加え,消化管閉塞や脱水などがんが原因である場合,糖尿病などの併存疾患,オピオイドや抗うつ薬などの薬物などさまざまな要因が関与し,対応に苦慮する場合も多いと思います。