渡邊紘章
小牧市民病院緩和ケア科
「緩和ケア」の世界で働いていると,正解のない(気持ちがモヤモヤする)さまざまな問題について頭を悩ませることが多い。患者や家族が,食事摂取時に誤嚥して呼吸状態が悪化することが分かっていても「苦しくなっても,好きなようにさせてください」と訴えられるような時,せん妄による過活動なのか,もともとの生活パターンなのか判断できない患者について,スタッフから「全然眠ってくれなくて,夜間少しも目が離せません。もっと眠れるようにしてください」と求められた時など,毎日のようにちょっとモヤモヤした気持ちを抱えながら,専門的緩和ケアスタッフとして働いている。