淀川キリスト教病院のがん相談支援室(以下,相談室)は,筆者を含むがん看護専門看護師が3名所属し,がん患者の治療に関わる意思決定をサポートするため,がん患者カウンセリングを行っている。がん患者の治療や療養に関する意思決定は,初発の治療方針の決定のみでなく,治療後の療養生活も含めてがん治療の経過の全体で求められる。そのため,相談室では,がん患者カウンセリングを担当した看護師が主体となって,継続的な関わりを行っている。
以下に,がん告知から緩和ケアへの移行まで,筆者が自問自答しながら関わりを続けた事例を紹介する。