がん対策推進基本計画(第二期)には,「がん患者も含めた患者の長期的な経済負担の軽減策については,引き続き検討を進める」と記されている。
計画書の通り検討が進み,将来的にがんに特化した費用負担軽減のため,社会資源が策定されるかもしれないが,今日この時も,患者・家族はがんを抱え,自らの経済的課題と照らし合わせながら「その人らしい」暮らしを模索している。
本稿では,医療ソーシャルワーカー(以下,MSW)が,療養生活を支援する視点や活用する資源について,事例を通して提示し,現代の多職種チームにおける役割を確認したい。