終末期がん患者は,痛みなどの身体的苦痛症状を体験するとともに,社会的・精神的・スピリチュアルな苦痛を体験する。その過程で,「これまでの自分の人生を振り返り,整理を行いたい」と願う時が訪れる。限りある時間の中での希望の実現や,実現に向けての支援を受けることが,スピリチュアルケアとなり,患者の残された時間のQOL 向上につながる。
離別した子どもがいる場合は,「一目会って話したい」「親子関係の修復を図りたい」という希望をもつことが多い。しかし,このような患者の希望の実現については,元配偶者や子どもの意思により,左右されることになる。
本稿では,がん治療を受けている患者が生命予後を告知され,離別した子どもに会うことを希望したが,元配偶者がそれを拒否しているケースに対し,看護師としての関わりの1 例を述べる。
「どうしたらいいのか」悩む場面―正解のない状況でのコミュニケーションや考え方【患者と家族のあいだで】
「 離別した娘に最期に会いたい…」でも家族は会わせたくない
2015.08.21
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