若年成人期(young adult; 以下,YA 世代:20~30 歳代)は,成人としての自立に向けて心身ともに安定していく時期であるが,親の保護下から独立し,社会人としての役割を果たすにあたり,社会生活の変化に伴う課題の多い時期である。また,YA 世代の親(50~60歳代)は,向老期にあたり,自身の心身の変化や子どもの巣立ちで,寂しさや焦りを感じたり,親の扶養や介護などの問題に直面することが多い。
YA 世代のがん患者は,「自立した成人」と「向老期の親の子ども」としての両側面の役割をもち,療養に伴う重要な意思決定にあたっては,患者の意向とともに,親の意向に左右されることが多い。
若年成人がん患者の緩和ケア─現場で知っておくべきYA世代の特徴と治療・ケア
若年成人がん患者の意思決定支援─自律と葛藤を支えるケア
2015.11.15
この記事の続きは、下記書籍からお読みいただけます。