苦痛緩和のための鎮静(以下,鎮静)は,1990年に最初に報告されて以来,さまざまな議論の焦点となってきた。特に持続的な深い鎮静(continuous deep sedation:CDS)は,患者の意識をコミュニケーションができない水準まで低下させ,通常患者が死亡するまで継続されることから,患者に社会的死(social death)をもたらすものである,鎮静が生存期間を短縮させる可能性があることから,「鎮静=緩徐な安楽死(slow euthanasia)」であるとの批判・懸念が根強く聞かれていた。
鎮静は生命予後を短くするのか?
2016.07.15
この記事の続きは、下記書籍からお読みいただけます。