新城 拓也
し んじょう医院
本稿では不眠への対応について述べるのだが,まずは患者と医療者がどのような関係であるのかについて改めて考えてみたいと思う。
私は現在,在宅医療を中心に緩和ケアを提供している。在宅医療は往診して患者を診察するだけではない。自宅で暮らしている患者を治療することであって,外来通院中の患者もまた在宅医療の対象者だ。そもそも在宅医療という言葉自体が医療者の目線である。患者の居場所が病院ではなく「在宅」であって,そもそも病院で行うはずの「医療」を在宅で提供するのだ,という意味をおおいに含んでいる。