外来で行う緩和ケア─理想編

2017.09.15

西 智弘
川崎市立井田病院 かわさき総合ケアセンター


2016年末に「がん対策基本法」の改正が行われ,その条文のなかで「がんと診断されたときからの緩和ケア」が明記された。「がんと診断されたときからの緩和ケア」は「誰が提供すべきなのか?」という議論もあるが,進行・再発がんに限った話でいえば,診断後早期から専門的緩和ケアサービスが介入していくことは,世界的にも数多くの検証が行われ,概ね良好な結果が報告されている。
ASCO(American Society of Clinical Oncology;米国臨床腫瘍学会)でもそのガイドラインで,すべてのがん種に対して入院中だけではなく外来でも「早期からの緩和ケア」を行っていくことを勧めている。
このような状況のなか,わが国においても改正法に基づいて「早期からの緩和ケア」を進めていくためには,入院患者に対する緩和ケアだけではなく,外来患者に対してどのように緩和ケアを提供していくかという課題に取り組んでいかなければならない。

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