山口 崇
兵庫県立加古川医療センター 緩和ケア内科
進行がん患者の呼吸困難に対して,モルヒネをはじめとしたオピオイドを症状緩和治療として投与することは,各種教科書やガイドラインなどでも以前から言及されており,少なくとも専門領域(オンコロジー領域・緩和ケア領域)においては,ある程度は市民権を得ているように感じる。一方,各種非がん疾患の呼吸困難に対するオピオイド投与に関しては,各疾患の専門領域において,オピオイドが投与されることはまだまだ稀のように思われ,われわれ緩和ケア専門家も,非がん患者の呼吸困難に対するオピオイド投与に“慣れていない” “自信がない”という面が多いことは否めないように思う。