百 賢二
東京大学医科学研究所附属病院薬剤部
がん患者の疼痛緩和を目的として投与されるオピオイド(モルヒネ,オキシコドン,フェンタニル)製剤の有害事象の1つである便秘は,40~80%程度の患者に認められ,患者のQuality of Lifeを低下させる。症状が重篤な場合には,摘便,腸洗浄など,苦痛を伴う処置が必要となることも少なくない。日本で実施された報告によると,便秘に対する予防投与を積極的に実施することで,便秘の発症率が有意に低下することが報告されているものの,完全に予防するまでには至っていない。