便秘治療・ケアの新時代―PAMORA(末梢性μ受容体拮抗薬),登場!
オピオイドによる便秘症(opioid-induced constipation:OIC)治療が大きな話題になってきた。治療においては,海外において注射薬でしか用いられなかった末梢性μ受容体拮抗薬(PAMORA)の経口薬が登場し,国内においても使用できる経口薬が開発された。
本特集では,新しく利用可能になったPAMORAであるナルデメジンに焦点を当てて,緩和ケアにおける便秘治療を考えた。緩和ケアにおける便秘治療の全体像やナルデメジンの薬理と臨床エビデンスを整理し,新しく利用可能になったナルデメジンの臨床での使い具合を使用経験の豊富な医師にそれぞれの経験を紹介してもらった。また,便秘といえば薬物療法だけではない。非薬物療法の王道と実践の変化について,病棟,在宅の看護師からの知恵を整理した。さらに便秘に関する「こねた」として,サブイレウスの着眼点,漢方薬と市販薬についての情報も整理した。
〔特 集〕便秘治療・ケアの新時代-PAMORA(末梢性μ受容体拮抗薬),登場!
企画担当:森田達也,高橋美賀子
特集にあたって…森田達也,他
PAMORA時代の便秘治療─オーバービュー…森田達也
PAMORAの基礎とエビデンス…百 賢二
PAMORAの使い方
1 ナルデメジンが有効だった症例・中止した症例…大坂 巌
2 PAMORAの効果発現の“先”を読む…田上恵太
3 オピオイド鎮痛薬開始と同時にナルデメジンを服用した事例…住谷昌彦,他
4 ナルデメジン投与患者への緩下剤投与の工夫と使用症例─患者さん,下痢になっていませんか?…鹿田康紀
薬物療法だけじゃない便秘のケア─王道と実践の変化
1 病棟で行う便秘の予防とケアの工夫…平山さおり
2 排便を整える看護ケアの在宅での実践…榊原千秋
便秘治療のちょっとしたこと
1 サブイレウス…里見絵理子
2 漢方薬…大前隆仁
3 市販薬にはどのような成分が含まれているか…前田桂吾
〔連 載〕
◆FAST FACT(22)
死前喘鳴─痰がゴロゴロするとき…矢吹 拓
新連載 ◆ホスピス緩和ケアの日々(1)
プロローグ:自己紹介+α?…相河明規
◆いま伝えたいこと─先達から若い世代に(21)
最期まで支える医療─がん・非がんにかかわらずできること…田村 亮
◆緩和ケア口伝─現場で広がるコツと御法度(22)
◎全脳照射を行うときに,メマンチンを加えたほうが認知機能が改善?…芦沼宏典
◎Opioid-Induced Hyperalgesiaに気づきマネジメントするコツ…川畑 恵
◎終末期がん患者の口内炎に対する半はん夏瀉心湯含嗽…五十嵐麻美
◎がん終末期における体位調整の工夫…田中香織
◆落としてはいけないKey Article(22)
AIと行動経済学は緩和ケアを変えるか?…森田達也
◆えびでんす・あれんじ・な~しんぐ(EAN)─実践力を上げる工夫(11)
経口抗がん剤の服薬アドヒアランス…平尾千恵子
◆仕事人の楽屋裏(22)
菊内由貴
◆のぞいてみよう! 国際学会最前線(11)
ACPの国際学会に参加しました…木澤義之