語られてこなかった間欠的鎮静(レスパイトセデーション)のいま
「終末期における鎮静(セデーション)」といえば「持続的な深い鎮静」または「調節型鎮静」をイメージすることが一般的に多い。しかし一方で,おもに夜間にぐっすりと眠ってもらい,昼はしっかりと起きてもらうこと,などを目的とした「間欠的鎮静(レスパイト・セデーション)」の用いるべき場面やその意義については,臨床では多くの場面で用いられることが多いにもかかわらず,あまり語られてこなかったことも事実である。
なぜあえて間欠的鎮静を選択する場面があるのか? その臨床的意義はどこにあるのか? など,あまり特集されることがない間欠的鎮静について,緩和ケア臨床家が知っておくとよい知識や実践をまとめた。
目次
特集:語られてこなかった間欠的鎮静(レスパイトセデーション)のいま
特集にあたって 西 智弘,髙橋美賀子 004
Outline
1 間欠的鎮静─「回復する」概念の変遷 森田達也 005
2 間欠的鎮静で使う薬剤と基本的な考え方 前田一石 009
3 間欠的鎮静を受ける患者・家族のケア ブラブマン一未 015
Case
1 痛みに対する間欠的鎮静 清水正樹 022
2 せん妄に対する間欠的鎮静 阿部晃子 028
3 呼吸困難に対する間欠的鎮静 三輪 聖 034
4 倦怠感に対する間欠的鎮静 荒川さやか 039
5 精神的苦痛に対する間欠的鎮静 吉田哲彦 043
Topic
1 間欠的鎮静の繰り返しと持続的な深い鎮静のいずれがいいのか? 西 智弘 048
2 48時間までは間欠的鎮静?─改訂版EAPC鎮静ガイドライン 今井堅吾 050
3 デクスメデトミジン─緩和ケアで出番はどうか? 三好祐輔 054
連載
・FASTFACT(60)
ヒドロモルフォン 飯田真之 057
・落としてはいけないKey Article(57)
強オピオイド使用中のがん患者の痛みにアセトアミノフェン上乗せは有効か 横道直佑,森田達也 058
・えびでんす・あれんじ・な~しんぐ(EAN)─実践力を上げる工夫(44)
がん患者の家族のスピリチュアルペイン 角 裕子 066
・な~るほど ちょこっと レシピ(1)
何も食べたくない(食欲不振)時のおすすめレシピ「ずんだシェイク」 佐々木まなみ 070
・看護師の緩和ケアチーム エントランス(話 輪 和)(1)
私の活動の原動力 長谷川真紀 072
・ホスピス緩和ケアの日々(40)
40周年記念 お勧め映画のご紹介「モリー先生との火曜日」 相河明規 074
・仕事人の楽屋裏(57)
田上恵太 076
Information 056
Book Selection 065
書評 079
次号予告 080