イラストでわかる 生活動作と読み書き支援
◆企画担当・責任編集
鴨下賢一・岩﨑清隆
特別支援教育や福祉の領域で、作業療法はその対象や範囲を広げつつある。作業療法支援のもと子どもらが取り組む生活動作には、すべての機能を高める要素が含まれている。粗大運動、巧緻運動、認知・言語機能、実行機能などを高めつつ、自尊感情をも育てていくことができる。
本テキストでは、作業療法の知識と技術の一部を、発達が気になる子に関わるすべての職種(保育士、教諭、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士など)や当事者家族向けに、分かりやすく、すぐに実践できるようにまとめてみた。生活指導として食事や着替え、排泄動作を通じた身辺自立や上肢機能の発達の促し方と、読み書き支援について述べている。
特別な指導法ではなく、生活の中で無理なく取り組める内容で構成した。生活指導を通じて自尊感情の発達を促すことや、読み書きに関しても意味のある文字や文章を書くことを目的としており、子どもが成長して社会に出るときに役立つ基礎の力が促せる内容になっている。また、260余点のイラストは、理解を高めるのに大いに役立つ工夫がされている。
生活動作と読み書き支援
序文 鴨下賢一
第Ⅰ部 生活動作
1 将来必要となる基礎の力の育て方 高橋知義,鴨下賢一
2 身近な生活動作での発達の育て方 松井 匠,鴨下賢一
3 スプーンから箸を使える手の育て方 小玉武志,鴨下賢一
第Ⅱ部 読み書き支援
1 読みと書きを連動した支援
─意味のある文字を書くために 東恩納拓也,鴨下賢一
2 うまく読めない,書けないことへの支援
─目で見る力を育てよう 荻野圭司,鴨下賢一
3 言葉やコミュニケーション力を育てるための支援
─読み聞かせ,1文日記に取り組もう 戸塚香代子,鴨下賢一
行動の障害と専門職の職業意識 岩﨑清隆
作業療法のある風景 第③回 はるのこころ 知花さくら