★★ホスピス緩和ケアの取り組み・現状・動向を詳細なデータを交えて解説★★
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木澤義之、森 雅紀、ホスピス緩和ケア白書編集委員会
【台湾・韓国のACPの経緯と現況からもわが国の動向を振り返る】
アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning;ACP)という言葉と概念が、急速に普及してきた。ACPの概念を整理しようと、欧米、アジア、日本でもコンセンサスメソッドであるデルファイ法を用いて定義が作成された。これらのACPの定義は、少しずつその内容が異なっており、普及啓発活動の内容、実際に行われている臨床にも違いがみられる。
本書では、定義について共通して大切にしている点、議論が分かれ論点となっている点を挙げ、識者の意見や論考を交えて整理する。そして、ACPを支えている倫理的・法的な背景を解説し、その概念を改めて確認する。また、現在、緩和ケアの世界を中心として行われているACPに関する実践を、各セッティングのトップランナーが具体的に紹介する。そして最後に、同じ東アジア文化圏にある台湾と韓国では、ACPがどのように捉えられどう実践されているかを、その特徴的な取り組みを含めて紹介する。
わが国におけるACPの今と、これからの方向性を見出すのに大いに役立つ内容となっている。
目 次
序文 木澤 義之
第Ⅰ部 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の概念と実践への取り組み
1.ACPの概念・定義と普及のための研修
A) ACPの定義とその考え方 森 雅紀、他
B) ACPをサポートする法 岩田 太
C) ACPをサポートする倫理 竹下 啓
D) ACPを含む研修
1) E-FIELD 木澤 義之
2) E-FIELD Home 山岸暁美
2.ACPの取り組みの現況と課題
A) 緩和ケア病棟におけるACPの実践 江口惠子
B) 緩和ケアチームにおけるプロジェクトの始動と実際 大谷弘行
C) 市民と共に考えるACPプロジェクト 蔵本浩一、他
D) 在宅緩和ケアにおけるACPの実際、リビング・ウイルとの関係 満岡 聰
E) 海外におけるACP
1) 台湾 Cheng-Pei Lin, Ping-Jen Chen,Shao-Yi Cheng、他
2) 韓国 Sun-Hyun Kim, Sang-Yeon Suh、他
第II部 統計と解説
1.データでみる日本の緩和ケアの現状 菊池里美、他
2.ホスピス緩和ケア週間 安部奈津子
3.緩和ケア関連の資料