★★ホスピス緩和ケアの取り組み・現状・動向を詳細なデータを交えて解説★★
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髙宮有介、小澤美和、清水千佳子、ホスピス緩和ケア白書編集委員会
中高校生、大学生から社会人への移行、恋愛、結婚、子育てなど、多様な発達過程を経ながら、家族や社会の中でアイデンティティを形成する年代は、AYA(Adolescent and Young Adult)世代と呼ばれている。その思春期・若年成人は、がんの診断や治療を受けることによって、人生やライフプランに多大な影響がある。また、本人に悪い知らせを伝えないように家族から依頼された時の対応や、家族の悲嘆へのケアも必要になってくる。
本ホスピス緩和ケア白書では、AYA世代の緩和ケアの現状を把握し、課題を明確にした。さらに、個別化した支援と多職種連携に焦点を当てながら、臨床、研究、教育、政策の各側面からAYA 世代患者への包括的な対策に繋げることを目指した。今後、AYA世代への緩和ケアの取り組みが拡がっていく契機となることを期待する。
目 次
序 文 髙宮有介 iii
第Ⅰ部 AYA世代の緩和ケア
1.AYA世代がん医療の現状
A.なぜ,AYA世代がん患者がこの10年で注目されたか 堀部敬三 2
B.AYA世代のがんの疫学的特徴と診療実態 中田佳世 6
C.小児がん経験者のAYA世代における現状と課題
―AYA世代に達した小児がん経験者と思春期進行再発がん患者への支援 樋口明子 14
2.AYA世代の精神医学的特徴とコミュニケーション ─社会性・関係性の視点 平山貴敏 18
3.AYA世代発症のがん経験者のニーズ 渡邊知映 21
4.AYA世代がん患者の終末期医療/在宅医療の現状
A.AYA世代の終末期医療 里見絵理子 25
B.AYA世代の在宅医療 大隅朋生 30
5.AYA世代がん患者の家族の現状 枷場美穂 34
6.AYA世代の緩和ケアの展望 森 雅紀 41
第Ⅱ部 統計と解説
1.データでみる日本の緩和ケアの現状 佐藤桃香,他 48
2.2024年度 ホスピス緩和ケア週間 安部奈津子,他 93
3.緩和ケア関連の資料 日本ホスピス緩和ケア協会 95