★★ホスピス緩和ケアの取り組み・現状・動向を詳細なデータを交えて解説★★
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木澤義之,志真泰夫,高宮有介,恒藤 暁,宮下光令
【本書の内容】
本白書は「緩和ケアの新たな試みと視点」と題して、2つのテーマを取り上げた。「緩和ケアチームにおける新たな試み」と「セルフケア、マインドフルネスの視点からの緩和ケア教育と研修」である。
第1のテーマである緩和ケアチームは、緩和ケアチームの活動が2002年に診療報酬として算定され、医療に組み込まれた。2007年に施行された「がん対策基本法」により、がん診療連携拠点病院への緩和ケアチームの設置が義務づけられた。ここでは質の評価と共に、がん医療との統合、症状緩和以外に期待される療養先の移行について述べている。また、緩和ケアの対象はがんだけではなく、ICUにおける緩和ケアや心不全患者の緩和ケアという新しい試みも言及している。
第2のテーマは、医療者のセルフケアに視点を移し、新たな緩和ケア教育や研修を取り上げた。マインドフルネスは、今、この瞬間に集中し、生きることであり、慢性疼痛や再発うつへの効果が証明されている。このマインドフルネスを取り入れたWhole Person CareとGRACEについて、その取り組みを解説した。また、日本で実施されているプログラムの紹介やその研究成果、看護師向けのプログラムも紹介している。
第Ⅰ部 緩和ケアの新たな試みと視点
[特集1]緩和ケアチームにおける新たな試み 〔編集〕木澤義之
1.緩和ケアチームの質の向上に関する取り組み─セルフチェックプログラムとピアレビュ…坂下明大
2.緩和ケアチームの質の向上に関する取り組み─患者報告型アウトカムを用いた緩和ケアチーム 介入の評価に関する多施設パイロット・スタディ…宮下光令,他
3.がん治療と緩和ケアの統合…多田羅竜平,他
4.療養場所移行期のケアと飯塚病院緩和ケアチームの取り組み…柏木秀行
5.ICU における緩和ケアと緩和ケアスクリーニング…橋口周子
6.心不全患者の緩和ケア…柴田龍宏
[特集2] セルフケア、マインドフルネスの視点からの緩和ケア教育と研修 〔編集〕髙宮有介
1.海外のプログラムの紹介と日本での展開
A.Whole Person Care プログラム:マギル大学の医学教育の取り組み…恒藤 暁
B.医療者の燃え尽き防止プログラムGRACE
(1)GRACE 開発の経緯と概要…髙宮有介
(2)エキナケア(緩和ケア病棟)におけるGRACE の実践報告…堀口朋美、他
(3)急性期医療とGRACE…杉浦明日美
2.わが国で実践している医療者向けプログラム
A.レジリエンスと思いやりを構築するマインドフルネス・プログラム…藤澤大介,他
B.看護師のためのマインドフルネスとコンパッションに関する試み…佐藤寧子
第Ⅱ部 統計と解説
1.データでみる日本の緩和ケアの現状
升川研人,他
2.2021 年度 ホスピス緩和ケア週間
安部奈津子
3.緩和ケア関連の資料