一人ひとりの死の物語が
時空を超えて、生を語りかける
編集 柳田邦男(ノンフィクション作家・評論家)
この世に生まれた命は、動物であれ植物であれ、再び地に還るという運命をたどる。人もその例外ではない。絶対に避けられない死があるからこそ、宗教や哲学が生まれた。
生死が医療の延長線上で考えられる傾向のなか、生命とは何か、病に苦しむ人々の心身を救うにはどうすればよいのかなど、医療者、宗教家、小説家などの賢哲がさまざまな問題提起を行い、解決法を探る。そして、より根源的なところから人のスピリチュアルを理解するうえで示唆に富む内容となっている。究極の緩和ケア読本である。
上巻目次
まえがき―人生のよき最終章を創るために 柳田邦男
1 「死なれる」という経験 鷲田清一 1
2 命の不思議 河合隼雄 29
3 妻を看取る日 垣添忠生 45
4 少子化の中の子どもの死を通して、
この国のこれからを考える 細谷亮太 77
5 たくさんの人が亡くなった後で
―準備のない死をどう受け止めるか 池澤夏樹 115
6 養老孟司の考えるスピリチュアリティ 養老孟司 143
7 共生から共死へ 山折哲雄 171
8 科学技術文明における死生観 高木訷元 187
9 「生きなおす力」を探る
―悲しみこそ真の人生のはじまり 柳田邦男 205
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