みずからの声に寄り添い、
希望を胸に再び生きる
編集 柳田邦男(ノンフィクション作家・評論家)
病気を治し、ある時には癒し、生きる人やいのちを支えるには、多くの支えを必要とする。喪失や絶望の中から、「私の魂はこういう経験を求めているのだ」という気づきが生まれ、悲しみを抱えつつも、生きなおそうとするいのちの鼓動が甦る。
危機の時代に医療ができること、宗教ができることを問う。医療者が人間の心の中の病気、死、喪失に対する不安、苦悩、悲嘆や、本来、人間の心にある宗教心への理解を深めるとともに、宗教家が現代医学を理解して「生と死」の現場に積極的に出て行く。
専門分野で積極的に活動する第一人者が、死との向き合い方、生き方を身近な視点から語る。究極の緩和ケア読本である。
下巻目次
まえがき―人生のよき最終章を創るために 柳田邦男
1 人生の最期を穏やかに生きるために 小澤竹俊 1
2 有為の奥山けふ越えて
―「相補性」で命を考える 玄侑宗久 33
3 悲しみは真の人生のはじまり 高木慶子 71
4 悲しむ力から育む力へ
―見守る息づかいとしての
スピリチュアリティ 井上ウィマラ 91
5 死の臨床40年の歩みと
スピリチュアルケアの課題 柏木哲夫 129
6 誰もが苦悩、苦痛から解放されるために
―医療の最先端事業で社会に貢献 永田良一 151
7 死生学や臨床現場への関心が高まる理由 島薗 進 173
8 弘法大師・空海にみる生と死 松長有慶 205
9 今、生老病死を問い直す
―現代に生きる空海 静 慈圓 219
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