悪心・嘔吐の最新治療 対処の引出しを増やそう
悪心・嘔吐の領域において、ガイドラインだけでは伝わりにくい現場の臨床も含んで特集を組み、オピオイド開始時の制吐薬の予防投与や、制吐薬の治療効果について最新の知見を紹介した。また,心理的要因がありそうなときの食事の工夫をまとめた。そして、「ひととおりのことをやっても吐き気が収まらない」ときの対処の引き出しとして,①難治性の悪心・嘔吐に対する緩和ケアについて総論的なレビューにて知識を整理しつつ,②難治性の悪心・嘔吐に対するクロルプロマジン/レボメプロマジンの持続皮下注射の実践,そして,③「 比較的マイナーな制吐薬」の立ち位置について解説している。
目次
特集 悪心・嘔吐の最新治療 対処の引出しを増やそう
特集にあたって 森田達也/山口 崇/海津未希子
Outline
悪心・嘔吐 消化器症状ガイドラインの要点 久永貴之
Detail 《薬物療法のup-date》
①病態に応じた制吐薬の選択は効果があるのか? 松尾直樹
②オピオイド開始時の制吐薬の予防投与はありかなしか? 余宮きのみ
③ドンペリドンは心毒性にどれくらい気をつけるべきか? 水田善之/大森崇史
④オクトレオチドの現在の位置づけは? 本間英之
⑤化学療法に伴う悪心・嘔吐 化学療法の影響もありそうな悪心・嘔吐の薬物療法 安部正和
Detail 《非薬物療法のup-date》
①心理的な影響もありそうなとき 山上睦実
②食の提案─食べることに向き合う 細見陽子
Detail 《難治性の悪心・嘔吐》
①難治性の悪心・嘔吐に対する緩和ケア 今井堅吾
②難治性悪心・嘔吐に対するレボメプロマジン持続皮下注射 矢吹律子
③「マイナーな制吐薬」の立ち位置 田上恵太/鳥越一宏
特別寄稿
COVID-19 Pandemicにおけるアメリカ緩和ケア現場の状況と変化─緩和ケア医として感じたこと 岩永佑子
連載
FAST FACT
クロルプロマジン・レボメプロマジンの持続皮下注射 矢吹律子
落としてはいけないKey Article
緩和ケアの臨床試験はどこまで均一でなければならないのか
─がんと非がんの問題を中心に 森田達也
えびでんす・あれんじ・な~しんぐ(EAN)─実践力を上げる工夫
苦痛緩和のための鎮静 金澤麻衣子
ホスピス緩和ケアの日々
コロナ禍での訪問にて~「先生,顔見せてよー」 相河明規,他
仕事人の楽屋裏
磯崎哲男
書評
「治療構造論による精神科作業療法 手引き 中山広宣」
精神科作業療法の奥深さを味わいながら基本を学ぶ手引書 田中悟郎