◆編集 神作一実、塚田 徹
摂食嚥下障害の作業療法を、「評価」の側面からスポットを当て、解説した画期的なテキストである。まず豊富な図とともに食べることの基礎への理解をうながしている。さらに対象者の機能評価のみではなく、環境因子の評価にまで言及している。リハビリテーションの臨床にとって、食べることの評価は大切な専門性であり、問題解決のための的確な介入に欠かせない。
食べることは、人にとって重要なセルフケアである。作業療法士が対象者の「安全で楽しく、おいしい食事」、ひいては「意味ある作業としての食べること」を実現するために役立つ指南書となっている。
摂食嚥下障害の作業療法 評価ガイド
序文 神作一実 003
序章 作業療法の評価と 摂食嚥下リハビリテーション
第1章 評価のための基礎ガイド
1 摂食嚥下に関する器官の構造(解剖・生理) 椎野良隆・塚田 徹 010
2 摂食5 期とプロセスモデル 塚田 徹・椎野良隆 014
3 食べる機能 椎野良隆・塚田 徹・金田麻利子 017
4 食べる機能の発達 神作一実 024
5 食べる機能の加齢による変化 塚田 徹 029
第2章 機能・環境評価ガイド
1 摂食嚥下機能の評価とアプローチ 神作一実 034
2 発達期の対象児の食事機能評価 神作一実 037
3 発達期の環境の評価 神作一実 049
4 成人期の対象者の食事機能評価 塚田 徹・椎野良隆・金田麻利子 056
5 成人期の環境の評価 塚田 徹 071
第3章 事例でみる評価アプローチ
【小児期】
1 乳児様嚥下の遷延(ダウン症候群など) 神作一実 082
2 摂食機能発達の遅れと自食への移行期のトラブル 神作一実 088
3 姿勢と運動の障害(脳性麻痺など) 神作一実 095
4 好き嫌いにみる食の偏り(ASDなど) 神作一実 103
【成人期】
5 脳血管障害による摂食嚥下障害への作業療法アプローチ 楢島恵美 111
6 神経筋疾患による摂食嚥下障害への作業療法アプローチ 楢島恵美 119
7 認知症による摂食嚥下障害への作業療法アプローチ 金田麻利子 127
8 精神疾患による摂食嚥下障害への作業療法アプローチ 金田麻利子 134
9 オーラルフレイルによる摂食嚥下障害への作業療法アプローチ 村仲隼一郎 140
10 誤嚥性肺炎患者に対する摂食嚥下障害への作業療法アプローチ 川島洋成 145
11 頭頸部がんによる摂食嚥下障害への作業療法アプローチ 青木佑介 154