特集 オピオイドスイッチングのレシピ集
緊急特集 COVID-19時代の緩和ケア2
◆企画担当
山口 崇(甲南医療センター)
柏木夕香(新潟県立がんセンター新潟病院)
■特集 オピオイドスイッチングのレシピ集
オピオイドスイッチングは,一筋縄でいかないがん疼痛の症例において良好な鎮痛を得るために有効な手段の1つであり,緩和ケア専門家にとっては必須のスキルである。一方で,わが国でも使用可能なオピオイドの種類が増えてきたため,以前と比較するとオピオイドスイッチングのバリエーションが増え,診療現場では複雑性が増してきている。
さらに,オピオイドスイッチングと似たプラクティスとして,複数のオピオイドを同時期に併用すること(オピオイド併用)も,臨床現場ではまれならず行われており,オピオイドスイッチングとの意味の違いや使い分けなどに混乱が生じている現状がある。
本特集では,オピオイドスイッチングの理論的な背景を,オピオイド併用との違いも含めて振り返り,実際の臨床現場でのバリエーションを複数の専門家に紹介・解説いただいた。
■緊急特集 COVID-19時代の緩和ケア2
2019年11月に中華人民共和国湖北省武漢市付近で発生が初めて確認され、その後、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行(パンデミック)を引き起こしている。特に医療機関、介護施設等における院内感染ならびクラスター発生は、緩和ケア病棟でも重要な案件となる。
7月号に引き続き、本号においても緊急特集として、「COVID-19 感染症と緩和ア」、「COVID-19 時代のがん患者への緩和ケア」の2つのセクションを設け、COVID-19時代の緩和ケアにつき、現場の眼を通して問題点とその対応を見通す。
特集 オピオイドスイッチングのレシピ集
特集にあたって 山口 崇・柏木夕香
オピオイドスイッチングの基本
オピオイドスイッチングの基礎知識 松沼 亮
オピオイド併用の薬学的なバックグラウンド 山本泰大
オピオイドスイッチングの実際
1オピオイドスイッチングの個人的法則 佐藤哲観
2スイッチング事例とその考察 平塚裕介・田上恵太
3よりよい症状緩和のためのスイッチングの工夫 久保絵美・木内大佑
4早期のメサドンが有効─代謝の個人差に注意 山川 宣
5がん疼痛治療の一戦略としての実践 池垣淳一
6オピオイドスイッチングにおける看護師の役割
─チーム医療の一員として看護師が行うアセスメントとケア 服部聖子
COLUMN
1ヒドロモルフォンを使用する際の換算比の考え方 余宮きのみ
2メサドンに変更する際のピットフォール 大坂 巌
特別寄稿
アドバンスケア・プランニングにおけるrelational autonomy
─家族大事だよね~ではない 森田達也・他
緊急特集 COVID-19時代の緩和ケア2
COVID-19感染症と緩和ケア
緩和ケア専門医が知っておきたいCOVID-19の知識 森岡慎一郎
COVID-19患者・家族の心理社会的ケア 秋月伸哉
COVID-19感染症での倫理的問題 久永貴之
COVID-19時代のがん患者への緩和ケア
緩和ケアの質を維持する─特に家族の面会・看取りへの対応 本松裕子
コロナ不安を感じる緩和ケア対象患者への対応 岡山幸子・大西アイ子
COLUMN
緩和ケア病棟での感染予防対策と葛藤 高野真優子
連載
のぞいてみよう! 国際学会最前線25
最新のがん看護における実践・研究を学ぶ 小林成光
仕事人の楽屋裏舞台32
西村 渉
ホスピス緩和ケアの日々14
心にひっかかったままの患者さん『気道閉塞』 前編 相河明規