特集 WHOがん疼痛ガイドライン
大きく改訂!!!
2018年にWHOがん疼痛ガイドラインの大幅な改訂が行われた。
「WHOのがん疼痛ガイドラインが改訂」との話に,「まあそう大きくは変わらんだろう」というのが大半の緩和ケア関係者の見方であった。
しかしいざ改訂されたものをみてみると、妙に多いAnnex。頁をめくるとWHOにはなじまなそうなフォレストプロットが。推奨文を読むと,「臨床試験に登録するべきである」「製薬会社との利益相反のため推奨を見送った」など目を疑う記述がある!!
1990 年代に緩和ケア臨床を目指した専門家にとって、「WHOガイドライン」は,伝家の宝刀,天下の印籠であった。WHOが言ってるからと言っておけば,皆が納得するものであった。記述は完全に経験的なものばかりで,文献の参照は最小限,系統的レビューは行われていなかった。
あれからわずか30 年…世の中の変化は速い。本特集で日本の読者が知っておいたほうがよいことを中心に、変化した「WHOがん疼痛ガイドライン」のその要点を紹介した。
特集 WHOがん疼痛ガイドライン
大きく改訂!!!
特集にあたって 森田達也/森 雅紀
Outline
WHOがん疼痛ガイドライン2018─変更の要点 森田達也 006
Detail
がん患者に対する鎮痛治療の原則 石木寛人
鎮痛治療の開始 寺田立人/小杉和博
オピオイドの選択 大屋清文
突出痛の治療 赤谷麻美/田上恵太
オピオイドスイッチング・オピオイドローテーション 馬渡弘典
オピオイドの投与経路 川島夏希
速放剤か徐放剤か 矢吹律子
鎮痛補助薬としてのステロイド 内藤明美
抗うつ薬 松岡弘道
鎮痛補助薬としての抗痙攣薬 平塚裕介
オピオイドのやめ方 馬場美華
痛みの評価法 下山理史
オピオイドの換算─ 薬理学的特徴とオピオイドスイッチング 岡本禎晃
最新刊情報
緩和ケア・がん看護 臨床評価ツール大全
連載
FAST FACT 36
サプライズクエッション 浜野 淳
落としてはいけないKey Article
緩和ケア×実装科学─現場で動くプログラムを
想定して研究するパラダイム 森田達也/釆野 優
えびでんす・あれんじ・な~しんぐ
(EAN)─実践力を上げる工夫せん妄の予防と対策 杉山育子
ホスピス緩和ケアの日々
ある夫婦の再会と再生の物語 相河明規
仕事人の楽屋裏
松本陽子
新連載
海外事情レポート 1
韓国のホスピス・緩和ケア 株本千鶴
書評
緩和ケアで何かを測りたい!と思った時に手元に欲しい一冊
森田達也