ホスピス・緩和ケア病棟の源流と新たなかたち
1981 年に日本で初めての緩和ケア病棟が設立されて以来約40年,2022 年までに全国で緩和ケア病棟届出施設は463におよび,病床数も1 万に迫る勢いで増えてきた。
その歴史の中で各施設ではさまざまな「個性」が育まれ,急性期を得意とするところや在宅支援を得意とするところ,また宗教色が強いところや大学病院内で役割を果たすところなどさまざまな特色がある。本特集では,日本における各緩和ケア病棟が歩んできた歴史を振り返り,これからの緩和ケア病棟が果たすべき役割について考えるきっかけとなることを期待している。
【目次】
特集:ホスピス・緩和ケア病棟の源流と新たなかたち
特集にあたって 西 智弘・矢野和美 460
1.ホスピス・緩和ケアの源流―私たちはどこから来て,どこへ行くのか 神谷浩平 461
2.ホスピスにおける宗教の役割の源流と現在―キリスト教 池永昌之 467
3.ホスピスにおける宗教の役割の源流と現在―緩和ケアにおける僧侶の役割 花岡尚樹/渡辺 有/他 471
4.急性期診療を併設した緩和ケア病棟の変化と現在 西 智弘 475
5.在宅支援型緩和ケア病棟の変化と現在 山田祐司 479
6.総合診療医が診る緩和ケア病院の源流と現在 柏木秀行 483
7.こどもホスピスの源流と現在 津村明美 487
8.独立型ホスピスの源流と現在 一万田正彦 492
9.東北大学病院緩和ケア病棟の源流と現在 井上 彰 496
10.がん治療と並行する緩和ケア病棟の源流と現在 吉岡 亮/大津裕佳 500
11.地域の中のホスピスの源流とこれから 宇野さつき 504
12.ホスピス・緩和ケア病棟はどうあるべきか―若手は今こう考える・(総合診療医の立場から) 山口健也 508
13.ホスピス・緩和ケア病棟はどうあるべきか―若手は今こう考える・(在宅緩和ケア医の立場から) 鷹津 英 511
書評
『つながる力。看護ケアをひらいた92歳のチャレンジ』
職業的アイデンティティをもって,使命を果たす 川村明代 535
連載
落としてはいけないKey Article (50)
九州がんセンターの先駆的な取り組み―患者と家族とのコミュニケーションを豊かにするツールとしての高齢がん患者評価 大谷弘行/森田達也 514
FAST FACT (53)
ナルデメジン 東端孝博 521
えびでんす・あれんじ・な~しんぐ(EAN)ー実践力を上げる工夫 (38)
Patient Reported Outome(PRO)を用いた苦痛の評価 石井容子 522
仕事人の楽屋裏 (51)
阿部泰之 526
ホスピス緩和ケアの日々 (33)
ヒポクラテスとホスピス緩和ケア 相河明規 528
Topicアラカルト
ベトナムでの緩和ケア 西 智弘 530
Information 510, 513, 525
Book Selection 536
募集広告 537
次号予告 537
総目次 539