緩和ケアで必要な中枢神経症状・合併症の知識
進行がん患者の診療において,中枢神経の症状や合併症に関して苦手意識をもっている医療者は多いのではないかと思う。また中枢神経症状や合併症を抱えた患者さんは,日々の治療・療養の生活で苦痛や不自由を抱えていることが多く,そのような患者さんを診療・ケアしていく医療者としてできる限り十分な対応を行えるようになりたいものである。
本特集では,どのように対応したらよいのか悩むことが多いものをピックアップし,それらに関する基本的な知識の整理と対応策についてまとめている。
【目次】
特集:緩和ケアで必要な中枢神経症状・合併症の知識
特集にあたって 山口 崇/角甲 純 284
Overview
髄膜播種の診断と治療 原納 遥/山口 崇 285
Detail
1.がん治療中または治療後に認められる認知機能障害 鬼塚安純/原 祥子/谷向 仁 293
2.分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬による中枢神経有害事象 吉田健史 300
3.非痙れん性てんかん発作(NCSE)の診断 小川朝生 305
4.抗てんかん薬のupdate 的場健人 310
5.トルソー症候群と抗凝固療法 松坂 俊 316
6.薬剤性錐体外路症状/ミオクローヌス 阿部晃子/石木寛人 320
7.見えない・聞こえないなどの生活困難感を有する患者の病態生理とケア 田尻寿子/神田 亨/三矢幸一 327
8.悪性神経膠腫患者の認知機能障害と社会復帰支援 梅崎成子333
9.脳腫瘍患者の家族がかかえる苦痛とケア 津村明美 338
Column
オマヤ貯留槽 宮北康二 342
書評
『人間石川誠を語る─証言で辿るリハビリテーション医石川さんの軌跡』
回復期リハと看護体制確立─その先見性 川嶋みどり 345
連載
落としてはいけないKeyArticle(48)
予後予測指標は臨床的予後予測よりも有用? 平塚裕介/森田達也 346
えびでんす・あれんじ・な~しんぐ(EAN)─実践力を上げる工夫(36)
特別養護老人ホームでの認知症のある利用者に対するACPの実践 辰巳有紀子/今村浩子 354
FASTFACT(51)
複合的介入(ComplexIntervention)と実装科学 釆野 優 357
仕事人の楽屋裏(49)
井上 彰 358
ホスピス緩和ケアの日々(31)
日々に潜むいとをかし 相河明規 360
Topicアラカルト
シンガポールの緩和ケア 小谷みどり 362
Information 304, 315, 332
Book Selection 344
次号予告 368