がん患者へのACP―やってみてわかったこと
ここ5 年間ほどのACPの「ブーム」にのって,がん医療や緩和ケアの臨床現場でもさまざまなACPの試みがされてきました。外来,病棟,診療所,在宅ケアなど多様な現場で,やってみてうまくいくこと,いかないことも少しずつわかってきました。
本特集では,がん医療や緩和ケアでのさまざまなセッティング,シチュエーションにおけるACPについて,「どのような現状があるか,何が課題か,どうすればよいか」を,改めて問い直します。一定期間の実践を経た今だからこそ語られるACPの実感について,共有します。
【目次】
特集:がん患者へのACP―やってみてわかったこと
特集にあたって 森 雅紀,髙橋美賀子,木澤義之 196
Overview
1.ACPを推進したことで起こってしまったこと・起こりがちなこと 髙橋美賀子,木澤 義之,森 雅紀 197
2.患者さんのホンネ―対話のプロセスを大切にしたいACP 桜井なおみ 203
Case―セッティング
1.がん治療医はどのようにACPを進めていくのがよいのか 松本繁巳,竹之内沙弥香 209
2.進行がん患者のACPにおける看護師の役割 細田志衣 215
3.外来・入院患者に対する緩和ケアチームによるACPの支援―ACPそのものだけでなく,「今を」大切にした DCPコミュニケーションの実装 大谷弘行 220
4.在宅ケアでどのようにACPを進めていけばよいのか 田代真理 226
Case―シチュエーション
1.時間がない外来でのACP 勝俣範之 231
2.「病状を受け入れられない」患者のACP 風間郁子,木澤義之 237
3.AYA世代の患者とACPについて話し合うために 白石恵子 242
4.認知機能の低下してきた高齢がん患者においてどうACPを進めればよいか 霜田英見,川口篤也 249
5.患者の意向を地域でどのように共有するのか 後藤友子,三浦久幸 255
Column
アメリカにおけるACP論争 植村健司 261
書評
『脳卒中の社会学―新しい自分を生きる』
患者の目線でとらえた説得力のある社会学 三浦靖彦 285
連載
落としてはいけないKey Article(53)
アセトアミノフェンががん免疫療法の効果を減弱する!? 星野奈月,松本禎久,森田達也 266
えびでんす・あれんじ・な~しんぐ(EAN)―実践力を上げる工夫(41)
せん妄症状のある進行がん患者の痛みに対する看護のストラテジー 菅野雄介 272
FAST FACT(56)
ラメルテオン 上村恵一 275
仕事人の楽屋裏(54)
佐藤淳也 276
ホスピス緩和ケアの日々(36)
FlexibleでSeamlessな地域ホスピス緩和ケアを目指した地域包括ケア病床の活用 相河明規 278
のぞいてみよう!国際学会最前線(27)
PaCCSC & CST Annual Research Forum 2023への参加報告 小山田隼佑 281
Book Selection 280
次号予告 286