◆編集 鈴木孝治
「記憶」の障害は、認知症にだけ特有なものではない。脳血管障害や頭部外傷などによっても出現し、生活に大きな支障を及ぼすことになる。本書では、 “記憶障害の特徴と介入”のわかりやすく必須なガイドを趣旨として企画した。
内容構成として、基礎編では認知心理学概説、記憶の神経心理学、記憶の認知心理学、記憶機能の特徴とその障害、記憶機能の評価、記憶障害への介入原則についてまとめた。実践編では、主要な疾患である脳血管障害と頭部外傷を取り上げ、記憶障害による生活障害への介入のポイントと対処などについて述べる。
認知症を含む記憶障害を学ぶ作業療法学生の入門書、現場での手引き書として活用していただきたい。
記憶障害と作業療法 エッセンシャル・ガイド
序文 鈴木孝治 003
第1章 記憶の機能とその障害
エッセンシャル・ポイント
1 認知心理学概説 鈴木孝治 008
2 記憶の神経心理学 鈴木孝治 017
3 記憶の認知心理学 鈴木孝治 026
4 意識・注意機能と記憶機能との関係 鈴木孝治 042
5 記憶機能の特徴とその障害 塚越千尋 058
6 脳機能画像の見方 清水兼悦 065
7 記憶障害を引き起こす病変部位と画像所見 清水兼悦 070
8 記憶機能の検査法 近藤麻友・渡邉 誠 074
9 記憶機能の行動学的評価 近藤麻友・渡邉 誠 082
10 記憶障害への介入原則 小野瀬剛広 088
第2章 記憶障害者への作業療法
プラクティカル・ケース
1 尾状核出血後に前向性健忘を認めた症例 清水賢二 098
2 脳炎後遺症による記憶障害症例
―記憶障害を引き起こす病変部位と画像所見 小林佑香・清水兼悦 104
3 頭部外傷後に前向性健忘と逆行性健忘を呈した症例 清水賢二 110
4 複数の外的補助具を活用しスケジュール管理が可能となった症例
―クモ膜下出血による重度の記憶障害患者の回復期病棟での経験 市川加奈 118
5 クモ膜下出血後の前脳基底部健忘例に対する社会生活支援 原 麻理子 127
OT スコープ
記憶障害者に対する生活支援 鈴村彰太 137
記憶障害者への患者・家族教育 藤村健太 142