緩和ケア 2014年11月号

緩和ケアセンターと緩和ケアチームの変化－新指針が現場にもたらしたもの

　　2014 年1 月に，「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針」（以下，新指針）が改定され，緩和ケアに関する要件が大幅に改定・追加された。その主たるものとして，緩和ケアチームにおける，苦痛のスクリーニングの外来，入院患者に対する実施，がん看護カウンセリングを行うことができる体制の整備，などが挙げられる。また，併せて，2016年3 月までに，都道府県がん診療連携拠点病院に，緩和ケアチーム・緩和ケア外来・緩和ケア病棟などを有機的に統合する「緩和ケアセンター」の設置が義務づけられた。

　この緩和ケアセンターは，手はじめとして都道府県がん診療連携拠点病院に整備されるが，地域がん診療連携拠点病院にもその整備を拡げてゆく方向性であるという。緩和ケアセンターには，①定期的ながん看護カウンセリングの実施，②緊急緩和ケア病床の確保，③地域緩和ケアカンファレンスの実施，④地域緩和ケアのトリアージ機能，⑤緩和ケアに関する高次相談機能，⑥緩和ケア研修会の運営と修了者の管理，などの機能が求められており，まさに地域緩和ケアの要となることが求められているといえる。

　本企画では，新指針のもと，緩和ケアセンターと緩和ケアチームにおいて，新たな取り組みを実践している全国の施設から，その活動の実際について述べていただいた。

　本特集が，読者の住む地域でどのように緩和ケアを展開し，ケアの質を高めていけるかを考えるきっかけとなり，地域緩和ケア充実の一助となれば幸いである。