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看取りの心得と作法17カ条

看取りの心得と作法17カ条
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看取りの心得と作法17カ条について

第1カ条 看取りの基は、「いのち」への限りなき畏敬と思い遣りなり

看取りは、人の「いのち」へのかかわりであるというこ
“ケア”の語源にみる関心の意味と思い遣り
仏教の教えに学ぶ看取りの基本姿勢
セーバーとウパスターナ/四無量心の教え/四摂法の教え/無財の七施の教え

第2カ条 看取りの最初の心得は、看取りし者もいつか必ず死を迎えると自覚することなり

あなたもいつか“散るさくら”になることを自覚していますか
他者の死に向き合うことは、自身の死に向き合うこと
人の生死に向き合うことは、真実に向き合うこと
人として生まれし者の心得は、いつか必ず死を迎えると自覚することなり

第3カ条 看取りは、死の前には無力なる自分自身を知ることから始まるなり

死の前には無力な自分を知るということ
死に行く人を前にして、何もできない自分自身を知ることから看取りが始まる、とは言ったけれど
ナイチンゲールに学ぶ看取りの基本姿勢
看取る者に求められる感性・知性・理性・霊性
感性/知性/理性/霊性

第4カ条 看取られる者は、末期がん患者のみならず死に臨む人すべてなり

看取りの対象(看取られる者)とは
改めて看取りの対象(看取られる者)とは
看取りの対象とそのニーズ
五つの側面からみた対象のニーズ
基本的欲求に伴うニーズ/身体的側面のニーズ/内的側面のニーズ/社会的側面のニーズ/生活面のニーズ
看取りの対象から改めて学んだこと

第5カ条 看取りの期間に長短あれども、およそ三月が大事と心得よ

看取りの期間
看取りの期間の各段階とその特徴
ターミナル前期/ターミナル中期/ターミナル後期/危篤・臨終時/命終時/死後の処置/死亡後の家族へのケア
死に向かう三月という期間の大切さ

第6カ条 看取り・看取られる者共々に、真実を語り合うことこそ大事なり

いわゆる“病名告知”ということについて
病名告知の目的とその実態
なぜ、病名や病状、今後の見通しについて伝えることが必要なのか
“病名告知”に対する看護者の基本姿勢・態度

第7カ条 看病・看死・葬送は、切り離しては考えられぬものと心得よ

看護は人のいのちの誕生前から死後までも視野に入れたかかわりである
人が死んでから墓に入るまで
“人が死んでからお墓に入るまで”の見学を通して知り得たこと
専門性、社会性、そして教養を身につけることの大切さ

第8カ条 看取りは、この世からあの世への橋渡しなり

ターミナルケアの語源には境界という意味が
三途の川にも境界が
臨死体験者のバリア体験にも境界が
死後の世界に対する人々の態度
死という越え難い一線(境界)を乗り越えるために

第9カ条 病者の「願い」を第一に、看取ることが大事なり

病者の「願い」を第一に看取るために医療者に求められること
「恕」の心、「同感」という態度/死を学ぶ、死に学ぶ
死を畏れ、死を恐れずに
死に対するおそれ/死に対する畏れと恐れ/死を畏れ、死を恐れずに/平生から自身の願いを明らかに

第10カ条 看取る者は、己が役割・立場を心得て臨むことが大事なり

苦・苦痛・苦悩などの概念
末期患者とその家族の苦痛・苦悩
自分が末期患者だとしたらどのような思いになるのだろうか、と考えてみること/五つの側面から対象の苦痛や苦悩を判断してみること
苦痛・苦悩に伴うニーズへの対応
「痛み」という苦痛の緩和に向けて
痛みが人に与える影響/痛みの原因を説明したうえで疼痛緩和をはかること/痛みに対して同感的であること/疼痛閾値を上げるような配慮を
末期患者の苦痛や苦悩に向き合うために己が役割・立場を心得ていること

第11カ条 看取りは、病者本人のみならず、家族も含めて見護ることなり

「家族」をどのように捉えるか
末期患者を抱えた家族の苦痛・苦悩とニーズへの対応
基本的欲求に伴う苦痛・ニーズへの配慮/身体的側面の苦痛・ニーズへの配慮/内的側面の苦痛・苦悩・ニーズへの配慮/社会的側面の苦痛・苦悩・ニーズへの配慮/生活面の苦痛・ニーズへの配慮

第12カ条 看取られる者・看取る者共々に、最期の瞬間に「救い」をめざすべし

「救い」の概念
看取られる者・看取る者がめざす「救い」とは
看取りがめざすものからみた「救い」/人としての望ましい臨終・死からみた「救い」
最期の瞬間の救いをめざして
「救い」は個々人の問題である/看取られる者も看取る者も共に生死観を育むことの大切さ

第13カ条 看取りの在りようを左右するは、看取る者の生死観なり

生死観とは何か
なぜ、看取る者に生死観が求められるのか
ある看護学生の実習記録から
看護者の生死観が看取りの質を左右する
死のこちら側の死を想うこと/死の瞬間における死を想うこと/
死の向こう側の死を想うこと

第14カ条 看取りの善し悪しは、本来看取られる者が言い得ることなり

看護と評価
看取りと評価
末期患者のQOLと評価/QOLと病名・病状・予後などを伝えること
看取りの評価の実際
「看取りの心得と作法17カ条」からみた評価/望ましい臨終・死の視点からみた評価/死後処置に取り組む看護者自身の姿勢と評価

第15カ条 人の臨終・死後処置にかかわるは、偶然でなく必然なり

臨終・死亡時のケア
死後処置の目的と留意事項
死後処置時の留意事
死後処置の実施方法
必要物品/死後処置の実施方法
死後処置に伴う儀礼について
儀礼のもつ意味/死後処置における儀礼
ご遺体は怖くない愛しい存在
死後処置に対する看護者の意識/人の臨終・死後処置にかかわるは、縁あって選ばれたると思うべし

第16カ条 看取られる者・看取る者共々に、心残りや憂い無きよう励むべし

人それぞれの臨終・死があるけれど
望ましくない臨終・死
中世の臨終行儀書にみる臨終時の心得と作法
望ましい臨終、そして死について

第17カ条 看取りとは、看取りし後も続くものなり

改めて看取りの期間の各段階について
残される家族のニーズ
家族の死は、家族にとって危機的なできごとである/対象喪失と悲嘆・予期的悲嘆について/正常な悲嘆の心理過程、病的な悲嘆の心理過程
残される家族のケア
死別後のケアは最初の出会い(入院時)から始まっている/病的悲嘆へのかかわり

臨床緩和ケア
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第1章 緩和ケア総論

STEP1 緩和ケアとは
A.緩和ケアの定義
B.緩和ケア、ホスピスケア、ターミナルケアという言葉
STEP2 緩和ケアの現状と展望
A.緩和ケアの歴史
B.わが国の緩和ケアの現状
C.わが国の大学病院の現状
D.わが国における緩和ケアの展望

第2章 全人的ケア

STEP1 全人的ケアの定義を理解する
STEP2 事例を通して全人的ケアを考える
A.痛みの4つの要素
B.全人的ケアの対応
STEP3 グループディスカッション「全人的な痛み」

第3章 痛みのマネジメント

STEP1 痛みのマネジメントの基本
A.がんの痛みの理解とアセスメント
B.WHOの推進する鎮痛薬投与の基本5原則と除痛ラダー
C.モルヒネは恐くない
D.モルヒネの副作用対策
STEP2 痛みのマネジメントの実際
A.痛みの増強因子と緩和因子
B.痛みのアセスメントの実際
C.病態からみたがんの痛みのアセスメント
D.投与経路の選択と投与方法
E.薬剤の選択
F.モルヒネの使用方法
G.モルヒネの副作用対策
H.オピオイドローテーションと薬剤の選択
I.モルヒネが効きにくい痛みへの対応
STEP3 事例を通して考える
A.全人的な痛みの理解
B.痛みのアセスメント
C.薬剤の選択

第4章 その他の症状マネジメント

STEP1 症状マネジメントの基本
STEP2 症状マネジメントの実際
A.呼吸器系
B.消化器系
C.腎尿路系
D.骨転移
E.抑うつ、せん妄
F.その他の症状

第5章 インフォームド・コンセント

STEP1 インフォームド・コンセントの理解、バッドニュースの伝え方
A.インフォームド・コンセントの現状
B.インフォームド・コンセントの理解
C.バッドニュースの伝え方
STEP2 患者・家族の精神的・社会的側面の理解と対応
STEP3 事例を通して考える

第6章 チーム医療

STEP1 チーム医療の必要性とその構成
A.チームの必要性
B.チームの構成(メンバー)
STEP2 チームを効率よく機能させるために
STEP3 チームにおける各職種の役割
A.医 師
B.看護師
C.訪問看護師
D.薬剤師
E.リハビリテーション専門職
F.医療ソーシャルワーカー(MSW)
G.管理栄養士
H.アロマセラピスト

第7章 生命倫理

STEP1 生命倫理について知る
A.DNRの定義
B.セデーションの定義
C.尊厳死の定義
D.安楽死の定義
STEP2 生命倫理について考える
A.DNRの実際と問題点
B.セデーションの問題点
C.尊厳死の歴史
D.安楽死と尊厳死のちがい

【実践抗議】

実践抗議1 自分の死、家族の死について考える、死を通して生の意味を考える
実践抗議2 愛する人への手紙
実践抗議3 ロールプレイで行う緩和ケア講義、「バッドニュースの伝え方」
A.テキストを用いた講義の進め方
B.バッドニュースを伝える方法と緩和ケア
実践抗議4 スモールグループで行うロールプレイ
A.実施法
B.ロールプレイの進め方
実践抗議5 K-J法を用いたスモールグループ・ミーティング
A.準 備
B.方 法
C.進 行

【付 録】

付録1 薬剤の表
A.各種薬剤の表
B.フェンタニル貼付剤(デュロテップ(R)パッチ)

付録2 チームにおける各職種の役割の重要性を事例を通して知る
A.看護師
B.訪問看護師
C.薬剤師
D.リハビリテーション専門職
E.医療ソーシャルワーカー(MSW)
F.管理栄養士
G.アロマセラピスト

付録3 医師国家試験に向けて
A.問 題
B.解答・解説

索引

ベッドサイドメモ
患者との距離/「早く死なせてくれ」スピリチュアルケアの1例/痛みは患者の主観として捉える/偽薬(プラセボ)は使わない/看護師の意見を聞こう/モルヒネの誤解/輸液について考える/緩和ケアにおけるステロイドの適応/ベッドサイドでできること/「先生、あとどのくらい生きられますか」と問われたら/緩和ケア病棟で行っている看取り/臨終時の患者との関わり/看取りに際して知っておくこと

ワンポイントメモ
オピオイドと麻薬/告知という言葉について/ヘルシンキ宣言/「ムンテラ」は死語にしよう/望ましいチーム医療の形/医療者の守秘義務とは