隣のアスピーズ 知ることで変わるお付き合い
発達障害について語ると,必ず聞かれる 3 つの疑問がある。
●昔から存在していたのではないか?
●どこにでもいるのではないか?
●増加しているのではないか?
答えはすべて「はい」である。
不思議な魅力をもつ人たちは,昔から存在していた。偉業を成し遂げたり,小説や映画の題材にもなっている。皆が同じ考え,同じ価値観の社会は進歩するはずがない。新しいことを発見したり,発明したりする人たちは発達障害をもつ人たちでしかありえない。
特に発達障害の中でも,アスペルガー症候群は,一見分かりにくいために診断もされずにいることが多い。しかし,小学校に見学に行くと,各クラスに 1~5 名程度の発達障害と思われる子どもたちがいる。不登校・引きこもりへと年代層も広がっている。同時に彼らの特性からくる生きにくさは,彼らだけに留まらず,家庭や学校,職場までも巻きこんでいく。
障害なのか,そうでないのかというようなことを議論するのではなく,もっと単純に,お隣にいるちょっと変わった人たち…という意味で,今回は“アスピーズ”という呼称を使わせていただいた。
支援が必要なのは彼らだけではなく,周囲の方々も同様である。お隣さんとよいお付き合いをしていくために,必要な支援=理解は,相互に恩恵のあるものであってほしい。お互いにユニークな楽しい人生が送れることを祈りながら,作業療法士だけでなく,家族や知り合いの人にも勧められる読み物となっていることを願う。
特集 隣のアスピーズ 知ることで変わるお付き合い
編集担当:若松かやの
アスピックな日々 若松かやの
佐久間メッセージ 佐久間絢梨
大学で生きづらいアスピーな学生への指導と関わり方 加藤寿宏
発達障害者の就労をどう支援しているか 遠藤嘉樹,他
発達障害者の就労支援の課題
通常教育を卒業した事例が教えてくれたこと 望月葉子
医療観察制度における広汎性発達障害に対する関わり
事例を通じて 岩井 邦寿
産業医からの,お・ね・が・い 田中久子
家族ができること 難しいこと 有路佳子
あのころ いま
井の中の蛙、大海に出る 新しい出会いを大切に! 石田圭二
ライト☆すぽっと
内なる感動から花開く夢 大野勝彦
連載
作業療法のアイデンティティー
地域で取り戻したアイデンティティー 繁野玖美
お家を変えよう!
パーキンソン病と住宅改修㈰ 児玉道子
子どもといる風景diary
子どもの育ちを応援するということ 菅原未涼
有効活用しよう!リハビリテーション実施計画書
個別機能訓練計画書 通所介護におけるその作成と活用 谷川真澄
再生への物語
入院してからの進歩 谷田部 宏
リハビリテーションと上肢運動学
手関節を理解する! 矢 潔
Welcome to 地域リハビリテーション
人が生きる困難に直面した時に真っ先に出会う“プロの仕事人” 地域における私たちの使命 川本愛一郎
がん患者のリハビリテーション
外出・外泊から退院へ 退院準備のリハビリテーション 安部能成
重度障害者への活動分析アプローチ
重度片麻痺患者へのトイレ活動への関わり スムーズな自排尿につながるトイレ環境への適応とは 木村奈保美,他
一枚の絵
感謝の気持ち 川井 とし
パント大吉のどこでも遊ぼ!
積みミカン パント大吉
きらりん☆スケッチ
車いすで天空都市・マチュピチュへ! 遠藤尚志
レポート
失語症のつどいイン首都圏 中村宏朗
リハビリテーション・ケア合同学会 嶺井まゆみ
第19回 日本精神障害者リハビリテーション学会 森 志勇士
アラカルト
カメラマン川上哲也の見た世界
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