近年、わが国ではがん治療における緩和ケアの重要性が認識されつつある。しかしながら、「緩和ケアチーム」の立ち上げ・運用においては、これまで緩和ケアに専従してきた医師・看護師がそれほど多くないことを考えると少なからぬ困難があることが予測される。
本書では、緩和ケアチームの立ち上げやチームコンサルテーションのノウハウを提供し、これから緩和ケアチームを立ち上げる施設、立ち上げたが活動に行き詰まりのある施設、また活動が軌道に乗っていてもさらなる展開を模索している施設にとって、活動の参考となることを目的とした。
また、読者がそのまま使用したり、修正して使用したりできるように、緩和ケアチームの活動に必要な資料・ツールを付録としてCD-ROMに収載した。
I.総論
緩和ケアチームにもとめられていること
II.緩和ケアチームの経緯と活動
昭和大学病院
大阪大学医学部附属病院
筑波大学附属病院
静岡県立静岡がんセンター
国立がんセンター東病院
国立がんセンター中央病院
国立病院機構四国がんセンター
聖隷三方原病院
聖路加国際病院
国立病院機構大阪医療センター
市立札幌病院
III.緩和ケアチームQ&A
システム・立ち上げの工夫
1.組織・運営
2.医師や看護師との役割分担
3.立ち上げの工夫
入院・外来での活動
1.依頼から診療開始まで
2.診療方針
3.オピオイドの使用
4.副作用対策
5.その他の対応
6.外来での診療活動
コミュニケーションとネットワーク
1.コンサルティとのコミュニケーション
2.チーム内でのコミュニケーション
3.医師・看護師以外の職種の専門性
4.院内・院外のネットワーク
コンサルティへのサポート・チームのトレーニング
1.コンサルティへのサポート
2.チームのトレーニングと評価
〈付録CD-ROM〉
コンサルテーションシート
患者さんへのパンフレット
院内マニュアル・評価基準
教育用のスライド、その他