作業・作業活動を用いる療法の道に携わり、そのあまりにも日常的で、そして豊かな内容を「だれにでもわかることば」として伝えたいという思いを抱いてきた著者。数々の著書を著す中で、自らのうちにあることばは次第に言語化されてきた。さらに、論理的な表現に収まらないことばや思いもこぼれだした。それらをまとめたものが、前作『作業療法の詩』。
臨床の日々、自分が体験した確からしさを伝える試みの中で、作業する「からだ」からこぼれでた次なる「ことば」が『作業療法の詩・ふたたび』として結実した。前作とあわせ、作業療法の希望は終わらない。
ふたたび
ことば
ことば
ことばの表情
ことばの肌理
ことばを手わたす
聞こえません
黙りが返事
かんちがい
だぁからぁ
ことばと作業
ことばの括り
ことばのこぼれ
はなす
かかわり
共なるしごと
澄ます
まなざす
共にある
待つ
聴く
観る
集める
問う
読む
知る
わからない
はじまり
深み
end
ひと
ひととまなび
身の丈
みせよう
「しる」「できる」
ただ一つの
わたし
あなたって
一者の関係
二者の関係
三者の関係
ほどよい離れ
ねえ ねえ
ひとと作業と療法と
こころとからだを護る
作業を通して
作業をもちいる療法
作業と身体
身体と生活
生命のリズム
ゆらぎとひずみ
老いを活かす
病いも生きる
こころの車いす
こころを
リンゴの絵
風呂敷みたいな
エビデンス
病いとともに
と言われても
重なる苦しみ
ありがとうが口癖に
ここで暮らして
不憫?
心配だわ
「今日」は暑くない
まぼろしの
どうして?
ほんとうは
時間泥棒
もしかして
父の日
なんでやねん
いやです
言えなくて
ひきこもり
ボケの花
このままここに
贈ることば
みどりの指となって
はじまりに 乾杯
あなたの緑の指で
茨の道に
春に向けて旅立つ
ひとと集団
いずみの森
光の春
「ことば」のこぼれふたたび
あとがき