在宅では、患者を病気によって区別しない。がん患者であっても、またそれが末期であろうとなかろうと、認知症であっても、神経難病であっても、同じようなケアを提供する。同時に、患者、家族、コミュニティのもつケアの力を引き出す。そのことを通して、自分自身が成長する。そのような場が、在宅ホスピスである。(本文より)
それぞれの人にその人だけの人生があり、誇りがある。それぞれの人にその人だけの家族があり、共有できる思いがある。在宅には、自分を大切にできる場があり、まわりからの愛があり、医療者の温かなまなざしのケアがある。死と生に向き合うとき、人生の新しい物語が始まる。
はじめに-人は死ぬまで生きている
第一章 出会う-在宅ホスピスは医療が人生と出会う場
在宅ホスピスを始める
添い遂げる
「自己決定」を支える
告知と未告知のはざまで
三日間の勝負
選択
「最期」という大切な時間
第二章 生きる-人は死ぬまで生きている
「みなさ~ん、ありがとう~」
「患者は、死ぬまで生きている」
うちの息子は世界一!
絆(きずな)
願い-家族のリズムを崩さずに
日々の決断
癒しのあかりのうた(1)-ランプシェードに花びらを
癒しのあかりのうた(2)-最期まで人生の主人公として
第三章 寄り添う-家族が支える、家族を支える
命のバトンタッチ-チャイルド・ライフ・スペシャリスト
遂げられなかった思い
最期の知らせ-生活を支えるということ
在宅ホスピスはススメない!
死と向き合うこと
ふるさとで風になって
闘いの中で成長する家族
第四章 広がる-社会を育てる「小さなたね」
ケアの力-ケララで学んだこと
ケアをめぐる風景
グループホームでの看取り-その1
グループホームでの看取り-その2
在宅ホスピスの広がり(1)-神経難病
在宅ホスピスの広がり(2)-認知症
在宅ホスピスの広がり(3)-こどもホスピス
あとがき-人権運動としてのホスピス