Whole Person Careの対象者は医学生や医師だけでなく、職種・専門性を問わず、すべての医療従事者や学生、全人的ケアに関心がある方々、そして苦痛・苦悩の中にあるすべての人々となる。本書を通して癒しの関係性が築かれ、人々が癒しへと導かれ、そしてわが国でのホスピス・緩和ケアの臨床と教育の発展に少しでもお役に立てていただけるよう願っている。
--柏木哲夫氏
医療は病気を診断・治療することに重きが置かれているが、死の不安、生きる意味への問い、孤独など精神面もケアされる必要がある。身体面のみならず全人的ケアの概念の新しいパラダイムを具体的に解説する。
第1章 全人的ケア
第2章 苦悩と全人的ケアと医療の目標
第3章 癒しの旅
第4章 医療の二分法の課題と調和した患者・医師関係
第5章 分離:病気における愛着理論と医療従事者の役割
第6章 共感,慈しみ,そして医療の目標
第7章 マインドフルネスと全人的ケア
第8章 癒しと傷つくことと医療における言葉
第9章 死の不安:全人的ケアの課題と期待
第10章 自己覚知による自己ケア
第11章 予防と全人的ケア
第12章 全人的ケアと補完療法
第13章 全人的ケアにおけるスピリチュアルな側面
第14章 全人的ケアと遺伝学における革命
第15章 多忙な病棟における全人的ケア
第16章 医科大学における全人的ケアの教育
第17章 全人的ケアとプロフェッショナリズムと医療の使命
第18章 全人的ケア:結論
付録 人間の本質と臨床医学