わが国のホスピス緩和ケアの取り組み・現状・動向をつぶさに解説する
近年,小児緩和ケアは病院だけでなく,在宅でも普及しつつある。「子どものホスピス」型のサービスは病院主導で始まり,小児専用の緩和ケア病棟も設置された。その後,子どものホスピスとコンセプトを共有するようなフリー・スタンディングの活動として,地域の中で病気の子どもたちを支える活動が全国各地に広がりをみせている。
本白書では,小児緩和ケアの取り組みを多角的な面から述べ,今後の小児緩和ケアのあるべき方向性を展望する。現在,展開されている各地での多彩な活動について,各現場の実践者がその取り組みを報告。「子ども支援」に携わるすべての現場で役立ててほしい。
序 文 恒藤 暁
第 I 部 小児緩和ケアの現状と展望
1.わが国の小児緩和ケアの現状と海外の状況 多田羅竜平
2.小児緩和ケアの現状と展望
A.大学病院(小児がん拠点病院)における緩和ケア 杉下美保子
B.小児病院における緩和ケア 天野功二
C.がんセンターにおけるAYA(思春期・若年成人)世代がん患者への緩和ケア 里見絵理子
D.小児患者に対する専門的緩和ケア 宮本二郎,他
E.地域における小児緩和ケア(悪性腫瘍以外) 南條浩輝
F.地域における小児がん緩和ケア 前田浩利
G.小児医療に携わる医師のための緩和ケア研修プログラム(CLIC) 永山 淳
H.研究の動向 余谷暢之,他
3.子どもホスピス型施設における活動の萌芽
A.あそび創造広場TSURUMIこどもホスピス(大阪府大阪市) 市川雅子,他
B.奈良親子レスパイトハウス(奈良県奈良市) 富和清隆
C.淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院—4年間の活動実績(大阪府大阪市) 鍋谷まこと
D.大阪市立総合医療センター(小児がん拠点病院・小児専用緩和ケア病床 〈ユニバーサル・ワンダー・ルーム〉)(大阪府大阪市) 宇野光昭
4.重い病気の子どもたちとその家族を支える社会活動
A.そらぷちキッズキャンプ(北海道滝川市) 佐々木健一郎
B.うりずん(栃木県宇都宮市) 髙橋昭彦
C.難病の子どもとその家族へ夢を(東京都中央区) 大住 力
D.メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパン(本部東京都千代田区) 鈴木朋子
E.レスパイト施設 あおぞら共和国(東京都文京区) 小林信秋
F.がんの子どもを守る会(東京都台東区) 樋口明子
G.しぶたね(大阪市中央区) 清田悠代
H.エスビューロー(大阪府茨木市) 安道照子
I.ビリーブ(大阪府大阪市) 坂下裕子
J.チャイルド・ケモ・ハウス(兵庫県神戸市) 楠木重範
K.NEXTEP(熊本県合志市) 島津智之
第 II 部 統計と解説
01.データでみる日本の緩和ケアの現状 五十嵐尚子,他
02.ホスピス緩和ケア週間 安部奈津子,他
03.緩和ケア関連の資料