がん緩和ケアの決定版! 9年ぶりの改訂
本ガイドブック(市販版)は、2010年から7年ぶりの改訂である。前書は,2007年に策定された「第1期がん対策推進基本計画」に基づき,がん対策推進委員会緩和ケア小委員会が中心となって、厚生労働省の委託事業として作成されたものである。本書は,厚生労働科学特別研究事業「適切な緩和ケア提供のための緩和ケアガイドブックの改訂に関する研究」班(研究責任者:小川朝生)により、基本的な緩和ケアに関する知識と技術の普及を図り、臨床現場で緩和ケアを実践するために必要な内容をすぐに参照できることを目的として改訂された。
本改訂では,これまでの疼痛緩和、医療用麻薬の使用等を中心とした内容に加え、緩和ケアにおける考え方(意思決定支援)や診療の場を問わず広く緩和ケアのアプローチにつながるよう、療養場所ごとの緩和ケアの特徴について紹介するとともに、非がんの緩和ケアに対するアプローチ等についても盛り込んだ内容となっている。
巻頭言
I はじめに
1.目的
2.本書の見方・使い方
3.用語と解説
4.緩和ケア概論
5.患者・家族の意思を尊重した意思決定支援
6.包括的アセスメント
7.診断・治療期からの支援
II 症状マネジメント
1.疼痛
(1)がん疼痛治療の概要
(2)疼痛の評価
(3)NSAIDs・アセトアミノフェンの開始
(4)オピオイドの導入・タイトレーション
(5)オピオイドを増量しても残存・増強する痛みの治療
(6)オピオイドの副作用対策—悪心,便秘,眠気,せん妄
(7)鎮痛補助薬の使い方
(8)オピオイドスイッチング・投与経路の変更
(9)オピオイド力価表 田上恵太
(10)非薬物療法とケア 松本禎久
(11)放射線治療
(12)神経ブロック
2.呼吸困難
3.消化器症状
(1)悪心・嘔吐
(2)食欲低下
4.倦怠感
5.せん妄
6.気持ちのつらさ
7.不眠
8.口腔の症状
9.がん治療に伴う有害事象
(1)発熱
(2)消化器症状
(3)皮膚障害
III エンド・オブ・ライフケア
1.アドバンス・ケア・プランニング
2.死が近づいたとき
3.苦痛緩和のための鎮静
IV 非がん疾患への緩和ケアアプローチ
1.概論
2.循環器
3.呼吸器
4.神経(脳卒中)
5.腎臓
6.認知症
V 療養場所と緩和ケア
1.緩和ケア病棟以外の病院
2.緩和ケア病棟
3.在宅緩和ケア
4.かかりつけ医に求められる役割—在宅緩和ケア実践のために
VI 緩和ケアのスキル
1.ステロイドの使い方
2.高カルシウム血症の治療
3.持続皮下注射
4.皮下輸液
5.悪い知らせの伝え方
VII 資料
1.参考資料・文献・情報の入手先
2.緩和ケアで頻用される薬剤リスト
あとがき