左から山崎章郎氏(ケアタウン小平クリニック),横関祐子(筆者),アルフォンス・デーケン氏(上智大学名誉教授),古谷小枝子氏(大和・生と死を考える会),高橋誠氏(元慶応義塾高等学校教諭)
(第39回日本死の臨床研究会年次大会 岐阜都ホテル 2015年)
先日、ひょんなことから、シシリー・ソンダース先生の来日講演の特集号を再読する機会があった。読み進めていくと、「あぁ、この写真…」と懐かしい写真に出会った。その写真とは、死を前にした女性が、シスターの手から水分を取っている写真である。私の記憶の奥に残っていたその写真が、再び私の目の前に現れてくれた。
今年、私の両親が相次いで旅立っていった。父の最期には、父の実家で作ったりんごをすりおろし、ガーゼに浸し、口の中をぬぐった。母の最期には、好物であったかき氷のアイスを少量スプーンで口の中に運んだ。このような行為を自然と行ったのは、今思うと、この写真が私のどこかに留まっていたのかもしれない。
ソンダース先生の来日講演の特集号は,私たちに勇気を与える。時を越えて、ソンダース先生の語りと、当時のお迎えした日本人の熱意が、多くの方々に届けられますようにと願っている。
編集部注
※シシリー・ソンダース先生の特集号は,「緩和ケア」の雑誌名がまだ「ターミナルケア」だった頃の7巻5号(1997年9月号)で掲載されました。残念ながら売切れとなっております。図書館などでご覧いただけますと幸いです。また,横関さんの述べている写真は,下記左の写真です。右はシシリー・ソンダース先生が来日されたときに,淀川キリスト教病院ホスピス,国立がんセンター東病院緩和ケア病棟,桜町病院ホスピスを訪問された写真です。